韓国語の二人称 너、당신 君、お前、あなた
◆ 基本の使い分け:ため口 vs 敬語
韓国語でも一人称と同じように、二人称も ため口 と 敬語 で区別して使います。
【ため口】の場合:너
「君」「お前」「あんた」など、カジュアルまたは少し乱暴な感じの日本語に当たる表現は、韓国語ではすべて 너 を使えばOKです。
君は、お前は → 너는
君が、お前が → 니가
🔸 本来は「너 + が」で 네가 が正しい形(標準語)ですが、
내가(私が) と 네가(君が) は発音がとても似ていて韓国人にも聞き分けにくいため、実際の会話では 니가 を使うことが多いです。
歌詞やメッセージでも 네가 と書いて、니가 と発音することが一般的です。
正式な文書(作文やスピーチ)では 네가 を使うとより自然です。
同じように、「君の」という所有の表現も
標準語:네(너의)
口語・日常会話:니
【敬語】の場合:「당신」は使わない?
日本語での「あなた(敬語)」に対応する言葉として辞書には 당신 が載っていますが、韓国語ではこの単語はとても限定的にしか使われません。
◆ 「당신」が使われる場面
夫婦間での呼びかけ
→ 日本語の「あなた」と似ていて、中年夫婦が使うことが多いです。
例:妻が夫に「당신(あなた)」と呼びかける。
※「여보(あなた・ダーリン)」や「자기(ハニー)」など、カジュアルな表現も使われます。アンケート・調査・説明文などの丁寧な書き言葉
→ 「あなたは週に何回運動しますか?」のような設問で使われます。
※客観的で距離感のある表現になります。怒り・批判のニュアンスを含む時
→ 「あなたが間違ってる」「あなたを許せない」など、強く相手を非難する文脈。
➡ つまり、당신 は通常の会話では使わず、「夫婦」「設問」「怒り」のような特定の場面でしか登場しません。
◆ じゃあ、敬語ではどうする?
💡 答え:基本的に「あなた」にあたる単語を使わないのが自然!
한국어では、相手に直接言及する場合でも二人称を省略して話すことが多いです。
例:
❌ あなたは学生ですか? →
✅ 学生ですか?(=あなたを言わなくても通じる)❌ あなたもこの曲が好きですか? →
✅ この曲好きですか? 私も好きです。
こういった言い方は日本語でもよくあるので、日本人にとって違和感なく使えます。
◆ じゃあ何を使えばいいの?
✔ ため口 → 너(はっきりと使える)
❌ 敬語 → 당신は使わず、省略する or 他の表現を使う
また、相手の名前や肩書きをつける方が自然です:
呼び方例 | 説明 |
---|---|
이름 + 씨 | ○○さん(例:민수씨) |
오빠 / 누나 | 男女の年上の呼び方(親しい関係) |
선생님 / 과장님 등 | 役職をつけた呼び方(敬語で自然) |
◆ 最後にまとめ
分類 | 使用例 | 備考 |
---|---|---|
ため口の「あなた」 | 너, 너는, 니가 | 君・お前・あんたの感じで使える |
敬語の「あなた」 | ✕당신 | 基本的に使わない方が自然 |
所有(君の) | 니, 네 | 너의 の省略・発音に注意 |
代用方法 | 名前+씨など | 상대방を直接呼ぶ or 省略する |
🔔 ワンポイントアドバイス:
「당신」=英語の "you" ではありません。
ドラマではよく使われますが、日常会話では距離感が出たり、失礼に聞こえることもあります。
➡ 覚えるより、「使わない」と覚えた方が自然!
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